2024-04-11

自分への励みと促しとして、2023年度の仕事と2024年度の予定(願望)の備忘録

2023年度にはようやく単著を出せて嬉しかった。好評なご意見をいただいており、出せてよかった思ってます。なので、今後のことを考えるためにも、今年度の抱負は「色んな人に会って話をしよう」です。皆様、色々と相手してやってください。

とはいえ、それなりに計画はあり、今年度も90年代ジーベック調査を継続します。昨年の今頃も「サウンド・スタディーズの教科書は今年度中にみなさんから原稿を集めて2024年度には出したい。Keywords in Soundの翻訳は亀の歩みのように進めている。」と書いており、これも継続中のプロジェクトです。サウンド・スタディーズの「教科書」の本は、ようやく原稿が集まりつつあります。翻訳の下訳は終わりましたが、引き受けてもらえる出版社を再度探している段階です。あと、今年度はvisual musicとsoundwalkingのことを考える予定。

今年はどんな新しいことをできるかな。

以下、メモ。書誌情報に不備はあります。

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書いたものなど

中川克志 2023 『サウンド・アートとは何か――音と耳に関わる現代アートの四つの系譜――』 京都:ナカニシヤ出版。

(出版社による書籍紹介ページ: https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html
:音響彫刻など視覚美術のことだけではなく、実験音楽などアヴァンギャルドな音楽のことだけでもなく、包括的に「サウンド・アート」について整理した唯一の本です。四つの領域におけるサウンド・アートの系譜を整理しました。それぞれ、音響彫刻小史、実験音楽としてのサウンド・アート小史、メディア・アートとしてのサウンド・アート小史、サウンド・インスタレーション小史として読めます。

中川克志 2024a 「<研究論文>音楽認識論序説 ジョン・ケージ以降の音と音楽の境界線をめぐって[1/2]」 『常盤台人間文化論叢』10:145–60. https://doi.org/10.18880/0002000350.
中川克志 2024b 「日本におけるサウンド・アートの系譜学:神戸ジーベックホール(1989-1999)をめぐって:その1――『Sound Arts』誌(1992-1998)の場合――」 『京都国立近代美術館研究論集 CROSS SECTIONS』11: 44-53。

福田貴成・中川克志・疋田雅章・広瀬正浩(司会) 2024 「座談会 「音」と文学――文学研究とサウンド・スタディーズとの対話――」 『昭和文学研究』88:2-23。

学会発表

NAKAGAWA Katsushi. 2023. “History of Sound in the Arts in Japan: the case of "Onkyo-Chokoku" (meaning sound sculpture)” at the 22th International Congress of Aesthetics (Universidade Federal de Minas Gerais, Belo Hrizonte, Brazil), July, 25th, 2023. (English)

その他

SCHEDULE | fourth floor 《音楽、イベント、cafe、映画、アート、》
【在学生情報】酒井風・中川克志先生/『サウンド・アートと実験音楽の間』VOL.3-Between sound art and experimental music- - Y-GSC

参考:過去

I am alive.: 自分への励みと促しとして、2022年度の仕事と2023年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2023/04/20222023.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2021年度の仕事と2022年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2022/04/20212022.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2020年度の仕事と2021年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2021/04/20202021.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2019年度の仕事と2020年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2020/07/20192020.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2018年の仕事と2019年の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2018/12/20182019.html

2024-03-22

つやちゃんさんに書評してもらいました

turntokyoというメディアプラットフォームで、「つやちゃん」さんに本をとりあげてもらいました(フィメールラッパー批評原論の方だ)。アカデミックにしっかり系譜学を書いていることと、注とか文の狭間とかに僕の見解をたくさん潜ませていることを、きっちり読み取ってもらえていて、とても、嬉しい。

【From My Bookshelf】Vol.22『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』中川克志(著)歴史を整理し系譜学を打ち立てた画期的な書 | TURN https://turntokyo.com/features/from-my-bookshelf-22/

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最後に宣伝させてください。

『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』が出ました。音響彫刻など視覚美術のことだけではなく、実験音楽などアヴァンギャルドな音楽のことだけでもなく、包括的に「サウンド・アート」について整理した唯一の本です。

四つの領域におけるサウンド・アートの系譜を整理しました。それぞれ、音響彫刻小史、実験音楽としてのサウンド・アート小史、メディア・アートとしてのサウンド・アート小史、サウンド・インスタレーション小史として読めます。この領域への解像度を高めてください。

サウンド・アート(音のある美術やアヴァンギャルドな音楽など)について語る語彙と概念が更新されるはずです。『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』が広く、長く、読まれますように。

サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html

2024-03-20

メモ:ニーナ・サン・アイズハイム『声の人種[The Race of Sound]』、Jimmy Scott

いま、ジョナサン・スターンのある論文を翻訳するために、ニーナ・サン・アイズハイムという人の『声の人種[The Race of Sound]』という本を確認している。この本は、声を通じて人種を想定する行為がいかに文化的な営為であるかを、きちんとした理論的整備といくつかの事例分析を通じて検証しようとするものらしく、序文で提唱される〈声は単一的なものではなく集合的なものである、声は内的な発露ではなく文化的に規定される、声の源は発話者にではなく聴き手にある〉といった命題も魅力的で(どうやってこういうことを説得的に論じるのだろう?という知的好奇心を掻き立てる)、面白そうである。ヴォイス・スタディーズな人に噛み砕いて訳してもらいたいところ。

ともあれ、この本では、カルマン症候群にかかったので声変わりしなかったJimmy Scottという歌手のことが分析される。この歌手はスターンの論文でも人名が言及されていたのでapple musicで検索して聴いてみて、なるほどこんな感じね、と思っていた。で、今日またちょっとググってみたところ、この人はツイン・ピークス最終話のクーパーの夢世界みたいなところで歌っていたことを知った。

Jimmy Scott-Sycamore Trees (Twin Peaks) - YouTube

クーパーが若い!
数十年前に初めてこの歌う場面を見た時の記憶はもうないけど、確かに、この声が男声か女声かは、すぐには決定できないかもしれない(リンチなのだから、歌う演技をする男性の俳優に女性歌手の声を重ねる、という演出も十分あり得そうだし)。声の源の性別や人種を決定するのは発話者ではなく聴き手なのかもしれない。


アイズハイムの本はこちら。オープンアクセスがある。 Eidsheim, Nina Sun. 2018. The Race of Sound: Listening, Timbre, and Vocality in African American Music. Duke University Press. https://doi.org/10.1215/9780822372646. (オープンアクセス版はこちら:https://library.oapen.org/handle/20.500.12657/22281 こちらの出版年は2019年になるらしい。)

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最後に宣伝させてください。
『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』が出ました。音響彫刻など視覚美術のことだけではなく、実験音楽などアヴァンギャルドな音楽のことだけでもなく、包括的に「サウンド・アート」について整理した唯一の本です。
四つの領域におけるサウンド・アートの系譜を整理しました。それぞれ、音響彫刻小史、実験音楽としてのサウンド・アート小史、メディア・アートとしてのサウンド・アート小史、サウンド・インスタレーション小史として読めます。この領域への解像度を高めてください。
サウンド・アート(音のある美術やアヴァンギャルドな音楽など)について語る語彙と概念が更新されるはずです。『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』が広く、長く、読まれますように。

サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html

2024-03-07

メモ:Leonel Vásquez

 https://www.facebook.com/katsushi.nakagawa.9/posts/pfbid0ntfEGrRAKv2Hj5wvx6RXMB7VHAVWj25LXzu35b3ytEZM112cVFKA5P2DYD5wvfckl

Leonel Vásquezというコロンビアのアーティストさん。名前を覚えておくべし。
藤田クレアさんの貝殻の作品を思い出したが、音だけなら藤田クレアさんの作品の方が、かそやかで面白い。こちらはなんだか、リバーブが強すぎる(なぜリバーブ音が出ているのだろう???)(リバーブ音じゃないのか?!)。
ただし、Vásquezさんは他の作品も面白そう。まとめて作品を見たい。

→コメント:何言っているか全くわからないが、たぶんVásquezさんの個展なのではないか、と推測。|“Templo del agua: río Bogotá” de Leonel Vásquez - YouTube

→コメント:藤田クレアさんの作品はこちら。|InvisibleSoundscape - YouTube

→コメント:「かそやか」という言葉はないそうです。|かそやか - Google 検索 https://www.google.com/search...

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サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html

2024-02-22

メモ:『She's More Wild』(1981)

Sonic Arts Unionに関する文章を漁っていて、変な映像を見つけた。寿司屋さんのアニメーション(?)とデヴィッド・バーマンらしいグリッサンドするシンセサイザー。David Behrmanと(「Dion Casio」さんではなく) Paul DeMarinisさんが音楽を提供した1981年の「She's More Wild」というレコードがあり、2020年にその完全版(全曲収録盤)が発売されたらしい。これはその曲に付けられた映像ということか?

David Behrman, Dion Casio, Fern Friedman, Terri Hanlon, Anne Klingensmith - Japanese Disease - YouTube 


以下、YouTube動画の説明欄の(ChatGPTではなく中川による)要約。

1981年に、David Behrman, Paul DeMarinis, Fern Friedman, Terri Hanlon, and Anne Klingensmithがミルズ・カレッジで録音した『She's More Wild』というレコードがあるらしく、2020年に再販されたらしい。それまでは3トラックが収録された7インチで少数にしか流通していなかったので、今回のリリースで初めて完全版が販売されたらしい(She's More Wild... | David Behrman, Paul DeMarinis, Fern Friedman, Terri Hanlon, Anne Klingensmith | Black Truffle)。

歌詞?言葉?ナレーションを書いたのはFERN FRIEDMANとTERRI HANLONらしく、音はデヴィッド・バーマンとポール・デマリニス。で、その音が「a ‘pop’ formatに近づいている」という説明がなされている。バーマンのクラシック『On the Other Ocean』で聞くことのできる滑らかに周波数を変化させていく電子音や、デマリニスの『Songs Without Throats』で聞くことのできるSpeak n’ Spell(おもちゃのアレ)をハックした音だとかが、ポップだ、という説明の仕方。これに似たものはJacqueline Humbert & David RosenboomのDaytime Viewingくらいだろう、とのこと。



ということで、最後まで分からないのだが、この映像は誰が作ったのだ?

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サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html

2024-02-13

メモ『音の行方』


音遊びの会のドキュメンタリーを池袋(東京芸術劇場)でやっと見れた。

なんかむっちゃ良かった。僕のなかに溢れ出る多幸感。
なんつうか、偶然巡り会えた音楽家たちが、予想していなかったようなシナジー効果のおかげで、すごくカッコ良いし、カッコ良いかどうかあまり関係ないかもしれないというタイプの音楽を演奏してしまった、みたいなことだったのだろうか。これはThe Langley Schools Music ProjectとかThe Shaggsとかともまったく違う。公表してもしなくても良いけど公表した方が面白そうだし、子どもたちも楽しそうだ。こういう演奏カッコ良い!と思う人がたくさんいるからこそ、この演奏はカッコ良い、というところもあるので、こういう即興演奏を認める人が少なかった時代には、こういう演奏はどう思われることになっていたのだろうか。「アール・ブリュット」とか呼ばれるしかなかったのだろうか。いやまあ、今でも「即興演奏」が一般的に高く認知評価されてるわけでもないだろうけど。
何か楽器を衝動買いして帰ろう!と思って池袋駅周辺をウロウロしたけど、幸い楽器屋を見つけられなかったので、楽器は買わずに帰宅中。
ともあれやはり、考えずにいられないのは、誰がどんな感じで、彼らの演奏会場や楽器を手配し、セッティングし、片付けているのだろうか、ということである。ドラムセットだけで2,3台あるようにも見えたけど。
電子ドラム買おうかな…。

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サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html

2024-01-12

メモ:「サンゴは森の夢をみる」@ 座・高円寺

台湾のヤニク・ダビさん(Yannick Daubyさん)の絡む展覧会とのことで、早稲田の帰りに高円寺に立ち寄った。(その死体を見ることの方が多い)サンゴは(台湾の山に住んでた方が一旦街に出た後に山に戻って生活しているらしい)山の夢をみるとは、なんとステキなタイトル。録音だけではなく、ここに行って、周りの音に耳を澄ませてみたい。ヤニクさんの録音は臨場感が高いような気がする。気持ち良いテッポウウオの音。

ということで、1600過ぎに高円寺から横浜に戻ろうとしているのだけど、この時間もう混んでる。小学生とか高校生がいっぱい電車に乗ってるんだなあ。

https://za-koenji.jp/detail/index.php?id=3070


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サウンド・アートとは何か - 株式会社ナカニシヤ出版 https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html